LGBTでもいいじゃないか
「LGBTでもいいじゃないか」
近年世界的に性的少数者が増え始め、また受け入れられ始めている。
色々なところで性的少数者を理解するための試みがなされているのは知っているだろうか、身近なところでは駅のホームなどに貼ってある広告の一部や書店にはLGBTに関しての書物を並べたコーナーまで存在していた。
2020年には東京オリンピックを控えた日本ではLGBTまた性別に対して深く理解する必要がある。
1. なぜLGBTは理解されにくいのか
LGBTの人たちが理解されにくい理由の根本にあるものが「ジェンダーバイアス」の存在だと私は思う
ジェンダーバイアスとは?
加藤秀一(2006)によるとジェンダーバイアスとは「社会的文化的性差」つまり日常で養われた性的偏見、男らしさ女らしさ
であるという。
2. LGBTとは結局女なのか男なのか
そして私たちの理解を苦しめる点として浮かんでくるのはLGBTの人たちは女なのか男なのかという疑問だ、実はこの疑問は私たちの根本に先ほど紹介したジェンダーバイアスがあるからわかりにくいのだ、私たちは男らしい男を男、女らしい女を女と考えた場合これらに該当しない者(男らしい女、女らしい男)をLGBTと考えるからわかりにくいのであって、LGBTは男でも女でもない3つ目の性別と考えるといいだろう。私にこのような考えをもたらしたのはある一つのニュース記事である。
(https://mainichi.jp/articles/20170519/k00/00m/040/025000c)
このようにアメリカでは男性を表すHe女性を表すSheをLGBTの人たちに対して使わずTheyを使う取り組みがなされている。
このような取り組みからアメリカでは性別が男性や女性のみではないということを国が認める取り組みをしていることがわかる。
また「男らしさ、女らしさと性別は全く別次元にある」(山田昌弘、p943)とあるようにその人の性別と男らしさ、女らしさといった性的偏見は全く別物と捉えるべきである。
3. LGBTであることの利点
私自身の疑問として(最近は昔と比べて生きやすいが)なぜ人に理解され
にくく生きにくいLGBTとして生きていくのか?というものがある。
確かに、その人本人の心と体の性別が一致していないからという理由で
済ましてしまえばそれで終わりだが、私はそれ以前に男性(女性)である
ことの生き難さがあるのではないかと思った。
<女性の生き難さ>
まずは女性の生き難さから見ていこう。
女性の生き難さをしめすのにわかりやすいデータがあるのでそれを見
ていただこう。
男性 女性
貧困率 ※1 22.9% 28.1%
大学進学率 ※2 55.4% 44.7%
管理職比率 ※3 89.4% 10.6%
国会議員比率 ※4 90.6% 9.6%
平均賃金 ※5 100 71.3
非正規社員率 ※6 22.0% 55.5%
※出典 1)2007年国民生活保護調査 2)2015文部科学省
3)2010年国勢調査 4)2014年衆議院 5)2013年厚生労働省、
男性を100としたときの女性の断定内賃金
6)2016年4~6月総務省労働力調査
生まれ変わるならどちらの性別になりたいかの調査
出典 統計数理研究所「日本人の国民性調査」2013年
これらのグラフを見てわかるのは女性は男性より不利なことが多く、
もし生まれ変われるのだとしたら男性になりたいということを思って
いるということだ。
<男性の生き難さ>
それでは男性の生きづらい点はないのか、と言われるとそんなこと
もないと男性を代表して言いたい。それは私が名付けるなら「ポケモ
ン、プリキュア問題」である。それは女の子がポケモンをみることは
理解できるが男の子がプリキュアを見ると馬鹿にされるといった問
題だ。また女の子がズボンを履くことは普遍的では男の子がスカー
トを履くことは変、といったことも同様の問題である。
このように男性と女性の間には非対称性が存在している(山田昌弘、
p24)しているということがこの問題を引き起こしている。
昨今こんな事件が起こったことを知っているだろうか。
(http://lite-ra.com/2018/02/post-3828.html)
この事件も女性は男性と同じ車両に乗ることが許されて、男性は女
性と同じ車両に乗ることが許されないという非対称性によって
引き起こされている。
このような自身が男性であること、女性であることに対しての不満があ
る限りは中立的なポジションを持つLGBTはある意味生きやすいのでは
ないかということを発見することができる。
4. 以上1〜3のことをまとめた考察
私たちはジェンダーバイアスという偏見で、男、女を明確に区別してしまうことがあるが、LGBTの人たちを理解するには、一回ジェンダーバイアスという概念を取り払って考えることが大事である。また私たちには
LGBTの人たちを理解しなければならないという考えが浮上し始めてきたが、そもそも普通の男性、女性でも自分の持っている性に対しての不満や生き難さがあることは事実で、LGBTは性別の割合的には少数ではあるが、場合によっては良い判断だということがわかった。
個人的には、LGBTという位置も人々の理解が追いつけば、一つの選択としてありえないことではないと思った。
メディアではLGBTの人たちの生き難さなどマイナスな点ばかりが掘り下げられるが、プラスな点が見つかったことによって、理解しやすくなって親近感を持てた。
5. 参考文献
・山田昌弘 「モテる構造」(ちくま新書、2016)
・毎日新聞 「theyの三人称単数OK 性的少数者に配慮」(2017,5/19)
・本と雑誌のニュースサイト リテラ(2018,2/27)
・2007年国民生活保護調査
・2015年文部科学省
・2010年国勢調査
・2014年衆議院
・2013年厚生労働省
・2016年4~6月総務省労働力調査
・統計数理研究所「日本人の国民性調査」2013年